2010年2月12日金曜日

最終課題:オリジナルボット”赤鬼””青鬼”

最終課題:オリジナルボット「i-self」をつくろう

今年度最後の課題では、人工無能を用いて、情報化された/想像上の「もうひとりの自分」(i-self --- informationized / imaginary self)を制作します。

ウェ ブ上に書き出される個人の思考、想いは、書いた本人さえ思野に収めることができないほどの膨大な量になってきています。また、実世界ではほとんど顔を合わ せないのに、ウェブ上では毎日「会っている」相手が幾人も居る、というシチュエーションは、2009年現在すでに普遍的なものです。


人 々は「ウェブ上の人物像」を通して「実世界の人物像」をソウゾウし、コミュニケーションを取っています。実/ウェブ世界双方の「自分」を切り分け、使い分 けることの意味が徐々に失せつつあるのかも知れません。時間や場所に紐付けられている「実世界の自分」を磨くことだけではなく、いつでもどこでも人とここ ろを交わすことのできる「ウェブ世界の自分」をしっかりデザインすることが求められつつあります。

今回の課題では、「実世界の自分」と対置されているようで、実はどこかでつながっている、ことばとアイコン(キャラクター)によって生み出される「ウェブ世界の自分」について考え、オリジナルボット「i-self」を制作してみましょう。

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ということで、最終課題の報告です。
僕はオリジナルボット"赤鬼"”青鬼”を制作しました。












どちらもsixamoをのせた人工無脳botです。
今回「i-self」がテーマということで、とても悩んだのですが、ボットとは会話に特化した人工無脳ということで、僕自身の言葉に関するボットを制作することにしました。”赤鬼”には僕の故郷である佐賀弁での種文、”青鬼”には今僕が生活している東京での言葉、標準語を入れました。前者は僕が実家で実際に使っている方言。後者はこのブログの文章をもとにしています。

”赤鬼””青鬼”にした理由ですが、「泣いた赤鬼」という物語をご存知でしょうか。その話の中で赤鬼は村に留まり、青鬼は村を出て行く(正確には出て行ったわけではなく隠れていたらしいのですが…)という展開があります。そこで、赤鬼=佐賀に留まった自分、もしくは
実家に帰省した自分。青鬼=上京してきた自分。をイメージして制作しました。
参考http://www.kca.co.jp/~nuts/tanoshi/akaoni.htm
http://www6.ocn.ne.jp/~aber7/new_page_169.htm

それぞれの例文をいくつか挙げます。
-赤鬼&僕-

(赤)頭の痛かー            一応訳→頭が痛いよー
(僕) おれも寝てないから頭いてえよ
(赤)どぎゃんもこぎゃんもならんばい      →もうどうしようもないね。  
(僕) ほんとやね
(赤)おーちゃっか              →調子にのるな馬鹿
(僕) お前がいったんやろが

(僕)おれも市原に帰りたい。         →僕の実家の地区名です
(赤)腹減っとらんと寝られん。        →腹が減って無いから眠れない
(僕) 話聞いてよ
(赤)がば眠か                →超眠い 
(僕) 聞いてって
(赤)うちは、なんだっちゃよかばい。     →もうどうだっていいよ

方言読みづらいかもしれませんが勘弁してください。

-青鬼&僕-

(僕)こんにちは
(青)大変でした。
(僕)おっ。いきなりだな
(青)現在公開中の2012のレビューをbotさんに聞いてからどれだけの月日がたったでしょうか。
(僕) 結構たったと思うよ笑

(青)sixamoとの連携でたくさん読み込ませれば非常に客観的なレビューを返すことができておりません。

(青)世界からみんなのシネマレビューが大量に掲載されているので。

こう見ると青鬼の方が文章をつなげるのがうまいですね。青鬼のほうが一文一文が長いからか、それとも、文節が標準語の方がわかりやすいからか。。不思議です。



これでとりあえず、作品の説明は終わりなのですが、ここからが僕のやりたかったことなので書かせていただきます。



僕がsixamoボットを2機作った理由は、bot同士をしゃべらせたらどうなるかを知りたかったからです。いろいろ実験をしたのであげていきます。(すみません。実験が楽しすぎて楽しすぎて、こればっかりやってました。アイコンかなりしょぼくてすみません。)

実験①「平仮名、カタカナの五十音のみを覚えさせて話し合わせたらどうなるか」
お察しの通りだと思いますが、
(赤)れ
(青)ン
(赤)さ
(青)カ
(赤)い
(青)ミ
(赤)ち
まぁこんな感じになります。結構待ってみましたが、会話しだすとかゆう夢は叶いませんでした。挙句の果てには処理が速すぎてかどうがわかりませんが何にもしゃべらなくなってしまいました。

実験②「では、片方だけ五十音で、もう片方は普通の種文ならどうなるのか」
これも予想通りですね。
akaoni: 夜おそー街ばごーそつきよっぎあぶなかばってんこん部屋はすーすーすっ。
[11:53] aooni: 荷物ばからうと重たかばってんこれ終わらんと寝られん。
[11:53] akaoni: 家からうと重たかばってんこれ終わらんと乗れんやったとばい。
[11:53] aooni: 夜おそー街ばごーそつきよっぎあぶなかばってんこん部屋はすーすーすっ。
[11:53] akaoni: あんたはいーたかばってんこん部屋はすーすーすっ。
[11:53] aooni: 家からうと重たかばってんこれ終わらんと乗れんやったとばい。
同じようなことを言うようになります。ただ、結構時間がかかります。

実験③「長文をいっぱいの青鬼と短文ちょぴりの赤鬼ならどうなるか」
青鬼には僕のデザイン史のレポートを。赤鬼にはいくつかの佐賀弁をいれました。

(赤) 惹かれるとは思わないと考える
(青) 惹かれるとは思わないと考える
(赤) そがんかことは思わないと考える

だいぶ融合するようになってきました。しかし、この段階ではほとんどが標準語でたまーに方言って感じです。そこで思ったのですが、結局種分として情報量が多いほうが勝つというか、その方の喋り方に似るというか、意見通るというか。なんとなく人間と似た部分を垣間見たきがしました。

この段階でちょっと面白かったやつをいくつか
(赤)あっ。しかぶったんで見てください。活用したりするつもりです。
しかぶったはお漏らししたの意です。

(赤)google earthを使えば、人はマスノスケになってしまいました。
マスノスケ。懐かしい限りです。 

(赤)アール・コルビジェ
惜しいです。

実験④「お互いに豊富な種文を持った状態で話しあうとどうなるか」
これが今の形ですね。
うーん。正直、予想より全然うまくいきませんでした。
序盤は結構いい感じ。
[12:34] aooni: google earth+キングサーモンのゲーム的なものを作りたかったんですけど。
[12:34] akaoni: どぎゃんもならんと乗れんやったとばい。車全然通らんと寝られんやったが良かっちゃん暑か
[12:34] akaoni: ちょっと前にプログラミングを必死で勉強すると書いてからみんなの時間が奪われてしまった!
[12:35] aooni: 僕は主にプロで作ったやつです。
結構いい感じに混ざりあっていて、こんな感じでどんどん新しい言葉選びをしてくれたらいい
なと思っていたのですが、なぜが最後には同じ事しか言わなくなってしまいました。難しいですね。













以上で今回の最終課題の発表を終わらせていただきます。
珍しく長く書きすぎました。